寝台特急「あかつき」
JR九州はJR発足20周年を記念してスタンプラリーをやっている(2007年7月16日まで)。また、この春は11,500円の青春18きっぷが「JR発足20周年・青春18きっぷ」として8,000円で売り出された。ということでこの安い18きっぷを利用してスタンプラリーの旅を計画。計5日間(18きっぷ1枚分)で九州中の駅と列車の中にある全20個のスタンプすべてを集める旅に出た。
青春18きっぷでは特急・急行列車には乗れない。しかしのっけから乗車券と特急券を購入し、なんと寝台特急「あかつき」に乗車。しかも博多〜佐賀間という短い区間。「寝台車で?もったいない!」と言う方もいるかもしれないが、「あかつき」にはグリーン車並の設備の普通車指定席「レガートシート」が連結されているのだ。
箱崎(福岡県)5:44発
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鹿児島本線・2121M
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博多(福岡県)5:50着/5:53発
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鹿児島本線〜長崎本線・寝台特急「あかつき」
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佐賀(佐賀県)6:52着
▲(左)寝台特急「あかつき」@博多駅、(右)併結してきた寝台特急「なは」と分割@鳥栖駅
▲(左)レガートシート車両@鳥栖駅、(右)レガートシート車内
なぜ乗ったかといえば、一つはもちろん「乗りたかったから」という単純明快なもの(笑)。近年九州を走る寝台特急は廃止されるものが多く、また以前は他の列車にも連結されていた「レガートシート」は現在「あかつき」にしか連結されていない。「無くなる前に乗っておこう」というわけだ。
もう一つの理由は「博多から鈍行に乗ったのでは間に合わない、長崎本線の早い時間帯の鈍行に乗り継ぐため」で、このように青春18きっぷの旅の中で特急・急行列車に乗ることを専門用語(?)で「ワープする」という(笑)。
さて、レガートシートは大変乗り心地が良かったが(十分眠れそう)、そこはかとなく異臭が・・・。おそらく風呂に入っていない人から・・・(慣れれば気にならない)。JRはレガートシートに消臭剤を置くべきだろう(笑)。
陶山神社
佐賀(佐賀県)7:00発
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長崎本線・2825M
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肥前山口(佐賀県)7:15着/7:27発
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佐世保線・927M
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上有田(佐賀県)7:59着
「九州遺産 近現代遺産編101」(文・写真/砂田光紀 弦書房)という本の中で「陶山(すえやま)神社」という神社が紹介されている。有名な有田焼の地にあるこの神社の鳥居は有田焼。また、狛犬も灯篭も有田焼でできていると書かれてあり、ぜひ実物を見てみたいと思って、まずはここに立ち寄った。
上有田駅から満開の桜をめでつつ、道に迷いながら15分後に到着。思ったより時間がかかってしまい、少し慌しく境内の有田焼製の様々なものを見物し(一見の価値アリ!)、これまた有田焼製のお守りを購入し、神社を後にした。
▲上有田駅
▲陶山神社の有田焼製鳥居と狛犬、灯籠
山王神社「二の鳥居」
上有田(佐賀県)8:42発
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佐世保線・4929M
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早岐(長崎県)8:59着/9:02発
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佐世保線・224D
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佐世保(長崎県)9:14着/9:38発
◎スタンプ!
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佐世保線〜大村線〜長崎本線3223D・快速「シーサイドライナー」
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長崎(長崎県)11:12着/11:25発
◎スタンプ!
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長崎本線・232D
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西浦上(長崎県)11:32着/12:15発
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長崎本線・235D
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浦上(長崎県)12:19着
佐世保駅と長崎駅でスタンプラリーのスタンプを押し、西浦上駅近くのブックオフを冷やかし、浦上駅近くの山王神社「二の鳥居」へ。この鳥居、別名を「片足鳥居」「一本柱鳥居」という。写真を見れば由来は一目瞭然だが、このような姿になった原因は長崎に落ちた原爆。爆風により半分が吹き飛ばされた(その部分は鳥居の傍にまとめて置かれている。)のだが、もう半分は倒れることなく(!)そのまま立ち続け、現在に至るという代物。先述の「九州遺産」に掲載されており、それを見て立ち寄った。
▲山王神社「二の鳥居」と倒壊した部材
絶妙なバランスで立つ(なぜ倒れない?)この鳥居。遠くに見えたときから一種独特の異様な雰囲気を醸し出していた。悲惨な原爆の被害にあったものを「オススメ」といっていいのか分からないが、めがね橋よりも何よりも長崎に来たら必見のものだと思う。見物後、社殿に参拝し、境内の大きなクスノキ(やはり被爆したという)の一部が入っているというお守り「大くす守」を購入。
▲境内には大きな「被爆クスノキ」
厳木駅〜桃川駅〜1日目終了
佐賀県のJR唐津線に厳木(きゅうらぎ)駅という変わった名前の駅がある。何かの本で「渋い駅舎がある」ということを知り前から行ってみたいと思っていた。
浦上(長崎県)13:08発
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長崎本線・2856M
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久保田(佐賀県)15:12着/15:31発
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唐津線・8829D
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厳木(佐賀県)16:14着
降り立った段階では「渋い!」とうれしくなりったが、その後じっくり見ていくうちに、跡が目立つ方法で修繕されていたり、窓口がベニヤ板でふさがれていたり、といった様子を見て少しがっかり。さらに駅舎を出て外観を見て唖然とした。明らかに雰囲気を損ねる増築がなされていたのだ。とはいえホーム側から見れば雰囲気は良く、古い給水塔も残っていて、桜と菜の花が花盛り。それなりに楽しく過ごせたので、まあ良しとしようか。
▲厳木駅
▲古い給水塔
厳木(佐賀県)17:05発
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唐津線・5839D
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山本(佐賀県)17:22着
▲趣のある山本駅の駅舎
山本(佐賀県)17:32発
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筑肥線・2535D
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桃川(佐賀県)17:59着
佐賀県のJR筑肥線に桃川(もものかわ)駅というかわいい名前の駅がある。以前、マンガ「鉄子の旅」(小学館IKKI)に登場する横見浩彦さんの本で「桃川駅には渋い時刻表がある」という記述を読んだ記憶があり、どんなものか見てみたくて行ったのだが・・・。なんと、時刻表があったと思われる駅舎は跡形も無くなっていた。残念!(古い駅名表示板は残っていたが・・・。)
しかし駅の周りをぶらついたり(たしか空腹のあまり駅前のやってるんだかいないんだか分からんような店で、賞味期限がいつなのか分からないようなミニドーナツを買った記憶が・・・)しているうちに夕暮れ時となり、予期していなかったとてもきれいな夕焼けを見ることができた。が、夕焼けの写真を撮っているうちに、デジカメがバッテリー切れに・・・。
▲桃川駅
桃川駅から時間つぶしに一駅戻って肥前長野(ひぜんながの)駅へ。桃川駅へ向かっているときに、渋い(ボロい)駅舎があると確認したためでもある。
桃川(佐賀県)18:53発
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筑肥線・2536D
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肥前長野(佐賀県)18:58着
日没後の訪問だったため細部は良く分からなかったが、昭和10年に建てられたというこの駅舎の魅力は十分伝わってきた。惜しむらくはデジカメのバッテリー切れで写真が撮れなかったことと、滞在時間が短かったこと。またいつか再訪するつもりだ。
肥前長野(佐賀県)19:05発
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筑肥線・2537D
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伊万里(佐賀県)19:21着/19:58発
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筑肥線〜唐津線・2538D
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西唐津(佐賀県)20:52着/21:04発
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唐津線・5848D
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唐津(佐賀県)21:08着/21:34発
◎スタンプ!
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筑肥線・356C
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筑前前原(福岡県)22:15着/22:16発
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筑肥線・520C
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姪浜(福岡県)22:34着
その後この辺りのJRを乗りつぶしつつ、唐津駅でスタンプを押して、スタンプラリーの旅1日目が終了。1日で19本の列車(家に帰るために乗った地下鉄を入れれば20本!)に乗るという自己新記録を樹立したが、大変疲れた。もう2度とこんな旅はしたくない・・・とは思わないけれど(笑)。
<交通費>
JR発足20周年・青春18きっぷ(1日分):1,600円
寝台特急「あかつき」・レガートシート(博多〜佐賀)
乗車券:1,080円
指定席特急券:1,420円
計:4,100円
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JR九州スタンプラリー旅2へつづく