鉄の頁 > オススメの駅 > 田子倉 たごくら (福島県/JR只見線 ※2013年3月16日廃止)

田子倉駅田子倉駅

小出駅から乗車した列車は新潟・福島県境の長い長い六十里越トンネルをエンジンを唸らせて潜り抜け、薄暗いスノーシェッドに入って停まった。

雪除けの中という珍しい構造だけでも魅力的だが、ホームから九十九折れの階段を登って外に出て振り返ると目に入る駅舎の姿も面白い。線路やホームが見えないこともあり、まるで倉庫か資材置き場のよう。「田子倉駅」の小さな駅名板が見えなければ、駅だと気付く人は居まい。

駅周辺には人家は無く、いわゆる「秘境駅」の1つとして知られる。駅前を走る国道252号線は積雪で半年ほど通行止めになるため只見線が唯一の交通手段となるが、田子倉駅も12月から翌年3月まで休止となる臨時駅。傍らには田子倉湖の水面が広がり、浅草岳や鬼が面山の登山口が近くにあることから、紅葉などの行楽シーズンにはそれなりの利用客があるらしいが、1日の平均利用客数は1人程度だという。

2011年7月の豪雨被害の影響で只見線は一部区間が不通となり、その余波で2013年3月16日のダイヤ改正に伴っての田子倉駅廃止が決まったが、地元自治体は「イベントの際に臨時駅として停車するなど利活用を続けるようJRに提案する」と今後も存続を目指し働きかけるようだ。同じ豪雨で被害を受けた登山道が復旧する見込みであることなどを考えると、まだこの駅の需要はありそう。廃止にしてもスノーシェッドのメンテナンス費用は必要だろうし、いまひとつメリットが見えない。年間数日だけでも列車を停めてはどうだろうかと思う。復活を期待する意味をこめてこのページを作成した。

※写真:2008年8月22日撮影。

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